2013年8月14日水曜日

熱中症対策〜正しい水分の補給法:水を飲むと脱水が進むってホント?



熱中症予防に水を飲んでも、いや、飲めば飲むほど
脱水が進むことがある。気をつけてね、というお話。


最近、足がピクピクしたり、つったりしていませんか?
それは水分・塩分の不足のサイン。
熱中症の初期症状のひとつです。

汗をかいてバテバテで帰ってきて、
ごくごくミネラルウォーターを飲んで、夜中にトイレで目が覚める。
なんてことありませんか?
実はコレ、けっこう危険。
朝、そのまま目覚めないなんてことになりかねません。


「尿というのは余分な水が出るもの」と思いがち。
でも、実はそうとばかりは限りません。


せっかく飲んだ以上の水分が尿となり、より脱水状態がひどくなることがある!
これが「自発的脱水」といわれるものです。

どういう仕組みなのか?

①汗とともに塩分などが失われる
②塩分などの含まれない水を飲む→血液が薄まる(塩分濃度が下がる)
③血液の塩分濃度を保つため、水分を尿として排泄&水を飲みたくなくなる
④気がつかないうちに脱水が進行

わかりにくいかしら?
もう少し簡単にいうと、

たくさんの水を飲むと血液が薄まる

体は水分が過剰だと勘違い。尿で水分を出し、血液濃度を保とうとする

脱水が進行する

ということです。

では、熱中症予防には何を飲めばいいか?

ベストは「経口補水液」
自分でも作れますが、商品としては、所さんがCMをしている「OS-1」
ドラッグストアや薬局で売ってます。
なければスポーツドリンクでも大丈夫。

年配の方はもともと体内の水分の割合が少なくなっているのに加え、
「のどが乾いた」と感じるセンサーも鈍くなっています。
これが、高齢者の熱中症が命に関わるものになりやすい理由。

お盆の帰省のときには、ご両親などに
「水はこまめに補給」
「たくさん汗をかいた時には、塩分を含んだ水を飲む」
「水を飲んだ後、くり返しトイレに行きたくなるときは、飲んだ水が体に吸収されていないことがある」
ということを、教えてあげてくださいね。

あ〜、それから「水分はビールで摂る」っていうのも
もちろんダメです。
お酒を分解する際に、体内で大量の水が使われるので
結果として、脱水が進行します。

賢く水分を補給して、夏を元気に乗り越えましょう!

2013年8月13日火曜日

やけどの痛みの止め方

深夜の養生トリビア。本日は東洋医学じゃないやつを。

数日前にやけどをしました。
小指の側面をお鍋の蓋にペタッと当ててしまったんです。
久々に「やっちゃった〜」という感じ。
すぐに氷水に浸けたんですが、1時間経っても、水から出すと猛烈な痛さ(´Д` )

どうしたものかと思って、ネットを検索したら、
やけどに対する自分の知識が、

けっこう時代遅れになっていたことが分かりましたf^_^;)

×長時間冷やさないと、肌の奥にやけどが浸透していく

○熱による細胞のダメージを止めるには5分程度冷やせば良い。

 その後の冷却は単なる鎮痛。

なんですって!

それで、鎮痛自体も、5分程度冷やしたら、
火傷面をラップでぴっちり密閉して皮膚の神経が空気と遮断すると
痛くなくなる
とのこと!

やってみました。

氷水から指を出し、小指にラップを巻き巻き。
うぉ〜、燃えるように痛い!
すぐさま
、氷水に逆戻り。
もう一度良く読むと「10分もかからず痛みが治まる」とある。

再チャレンジ。
今度は、空気をより確実に遮断するために、オリーブオイルを塗ってからラップ。

ぐぁ〜、やっぱり痛いぃぃ。
手首に爪を立てて、がまん。
い〜た〜い〜〜〜と2分くらいでくじけかけた瞬間、
ふっと痛みが消えた!!!!(°□°;)

軽くなった、じゃなくて消えました。


1時間くらいしてから、試しにラップをはがしてみたら、
すぐにドゥオ〜っと痛みがぶり返す。
ラップをすると、ふいっと痛みが消える。
すご〜〜〜い!
次の日の夕方までラップをし続けて、結局水ぶくれにもならずに済みました。

出典は
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1149767216
と、そのリンク先の
http://ooyakedo.exblog.jp/11593175/ こちら

こんなに変わっていいのか?と思うほど、

ケガも病気もどんどん常識って変わりますよね。
こまめにアップデートしなければと、思いました。

2013年8月7日水曜日

夏の頭痛やめまい対策〜中国式セルフマッサージ


夏の頭痛やめまいのための養生トリビア。

最近、頭痛やめまいに悩む人が増えているようです。
この季節に多くなるのは、暑さと湿気で湿熱の邪気が頭に上り、
こもってつまったことによる頭痛やめまい。
軽いものなら、頭にこもった気を下に流してあげることで解決します。

ここで大切なのが、経絡の流れの方向。
頭の経絡は額→頭のてっぺん→後頭部→首→背中の方向に流れるので、
それに沿って刺激を加えます。

ではやってみましょう。
できれば粗めのクシかブラシを用意してください。
(手グシの場合は、髪をかきわけて指先をしっかり地肌に当ててください)
経絡の流れを意識して、頭につまった気を下に流すことをイメージして行ってください。

① 耳のすぐ横にクシを当て、地肌に軽く圧が加わる強さで、
  後ろ生え際までゆっくり梳き降ろします。
② クシを少し中央側にずらし、同様に地肌に刺激を加えながら下に降ろします。
③ 中央まできたら、クシを逆の手に持ち替えて、反対の耳の横まで繰り返します。
④ ①のスタート地点から、今度は”首の下の方まで”同様に繰り返します。
  くしでしっかり地肌を刺激しながら、ていねいにゆっくり、肌を傷つけない強さで。
⑤ 最後は古来からの中国按摩「手指梳頭」
  手グシで髪の前の生え際から後ろまで、地肌を軽く圧迫しながら、指を滑らせます。
  頭全体をリズミカルに30回程度繰り返します。
⑥ 手のひら全体で髪をなでつけるように、前の髪の生え際から首の付け根まで
  ゆっくりと3回なで降ろします。深呼吸をしながら行いましょう。
⑦ 最後に首と肩を軽く数回まわして終了です

2013年7月16日火曜日

熱中症対策 汗・血液量増加・薬膳


今夜はひさびさにひんやりした夜の風。酷暑もとりあえず一段落?
先週はテレビの熱中症の解説で「体がまだ暑さに慣れていない」
というフレーズをよく聞きました。これは

「体温を下げる機能がまだ活発になっていない」
つまり
「すばやく十分に汗をかけない」「汗の質が悪い」
ということ。

今週は少し暑さも弱まりそうなので

①クーラーを控えて汗をかく
②積極的に動いて汗をかく
③しっかりお風呂に入って汗をかく

など、とにかくたっぷり汗をかく機会を作りましょう。
今後の熱中症、夏バテの防止になります。

熱中症対策で最近ちょっと注目されているのは
ちょいきつめの運動の直後に牛乳を飲み、血液量を増やす」というもの。
1週間ほどで血液量が(一時的ではなく)増加し、
さらに汗のかきやすさ、皮膚血管の開きやすさもアップするとのこと。

薬膳でも牛乳は「補陰類」に分類され、
体内の水分を増やす働き(生津作用)があるとされています。
同じく卵や白キクラゲ、「補血類」のライチやイカ、タコあたりも、
抗熱中症、抗夏バテによい食材です。

その他「清熱類」に分類される、セロリ、ニガウリ、キュウリなどの夏野菜、
スイカやマンゴー、緑豆や豆腐などもおすすめです。

2013年6月4日火曜日

体を冷やすお茶・温めるお茶


<茶色のお茶は温。緑色のお茶は寒>

今読んでいる『茶の医薬史—中国と日本』岩間眞知子著 思文閣出版に
「寒の茶・温の茶」についての記載がありました。

唐の陸羽『茶経』ある「茶之為用。味至寒。(茶の効用は寒である)」。
この「味」とはいわゆる味ではなく「茶は体を冷やす性質がある」
という意味。

明代の李時珍『本草綱目』にも「茶は微寒」と記されています。
中国というとウーロン茶やプーアル茶のイメージがありますが、
昔から中国でいちばん多く飲まれているのは緑茶。
つまり「緑茶には体を冷やす性質がある」ということになります。

さて、その後、清代になるといろいろな種類のお茶が登場します。

清の趙学敏『本草綱目拾遺』によると
龍井茶(緑茶)は寒
武夷茶(烏龍茶)は温
雪茶(茶外の茶)は大温

では、紅茶やプーアル茶は? 
台湾烏龍茶の高山茶や東方美人はすべて温?
という疑問が出てきますよね。


<茶が寒から温になる理由>

『茶の医薬史』ではさらに突っ込んで
「茶が温になる理由」を説明しています。

愛知医科大学・中野昌俊先生によると
「(発酵段階で作られた)烏龍茶ポリフェノールはリパーゼを活性化させる作用がある。その結果、脂肪が燃焼しやすくなり、体温があがる」

徳島大学・山本茂氏によると、お茶によるエネルギー消費量について、
「水の摂取ではほとんど変化がないが、緑茶では4kcal/h、烏龍茶では9kcal/h が増加する」

つまり「烏龍茶を飲むと代謝がアップし体が温まる」ということですね。


<まとめ>
お茶(緑茶)の性質はもともと寒
利尿効果があり、体の熱毒を排泄させ、
気分をリフレッシュさせる作用があります。

ではお茶の種類で寒温の性質がどう変わるのか?

「お茶は発酵度が高くなるほど温の性質が強くなる」

つまり、
緑茶は寒、烏龍茶は発酵の浅い高山茶は微寒〜微温。
烏龍茶でも発酵度の高い東方美人は温。
紅茶やプーアル茶も温。

もっと簡単な見分け方はお茶の水の色です。
緑〜薄い黄色〜茶色と変わっていくにつれ、温の性質が強くなります。


「じゃあ、熱々の緑茶と、氷の入ったアイスティーはどうなの?」

(´-ω-`)その答えは自分の体に聞いてみてくださいね(´-ω-`)

普段なにげなく飲むドリンクが冷え症や下痢、慢性的なだるさなどの
原因になっていることもあります。
毎日飲んでいるものが自分の体にどういう作用をもたらしているのか、
ちょっと気にしてみてくださいね。