<茶色のお茶は温。緑色のお茶は寒>
今読んでいる『茶の医薬史—中国と日本』岩間眞知子著 思文閣出版に
「寒の茶・温の茶」についての記載がありました。
唐の陸羽『茶経』ある「茶之為用。味至寒。(茶の効用は寒である)」。
この「味」とはいわゆる味ではなく「茶は体を冷やす性質がある」
という意味。
明代の李時珍『本草綱目』にも「茶は微寒」と記されています。
中国というとウーロン茶やプーアル茶のイメージがありますが、
昔から中国でいちばん多く飲まれているのは緑茶。
つまり「緑茶には体を冷やす性質がある」ということになります。
さて、その後、清代になるといろいろな種類のお茶が登場します。
清の趙学敏『本草綱目拾遺』によると。
龍井茶(緑茶)は寒
武夷茶(烏龍茶)は温
雪茶(茶外の茶)は大温
では、紅茶やプーアル茶は?
台湾烏龍茶の高山茶や東方美人はすべて温?
という疑問が出てきますよね。
<茶が寒から温になる理由>
『茶の医薬史』ではさらに突っ込んで
「茶が温になる理由」を説明しています。
愛知医科大学・中野昌俊先生によると
「(発酵段階で作られた)烏龍茶ポリフェノールはリパーゼを活性化させる作用がある。その結果、脂肪が燃焼しやすくなり、体温があがる」
徳島大学・山本茂氏によると、お茶によるエネルギー消費量について、
「水の摂取ではほとんど変化がないが、緑茶では4kcal/h、烏龍茶では9kcal/h が増加する」
つまり「烏龍茶を飲むと代謝がアップし体が温まる」ということですね。
<まとめ>
お茶(緑茶)の性質はもともと寒。
利尿効果があり、体の熱毒を排泄させ、
気分をリフレッシュさせる作用があります。
ではお茶の種類で寒温の性質がどう変わるのか?
「お茶は発酵度が高くなるほど温の性質が強くなる」
つまり、
緑茶は寒、烏龍茶は発酵の浅い高山茶は微寒〜微温。
烏龍茶でも発酵度の高い東方美人は温。
紅茶やプーアル茶も温。
もっと簡単な見分け方はお茶の水の色です。
緑〜薄い黄色〜茶色と変わっていくにつれ、温の性質が強くなります。
「じゃあ、熱々の緑茶と、氷の入ったアイスティーはどうなの?」
(´-ω-`)その答えは自分の体に聞いてみてくださいね(´-ω-`)
普段なにげなく飲むドリンクが冷え症や下痢、慢性的なだるさなどの
原因になっていることもあります。
毎日飲んでいるものが自分の体にどういう作用をもたらしているのか、
ちょっと気にしてみてくださいね。
0 件のコメント:
コメントを投稿